海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) - 本
海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)
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海の都の物語〈2〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) のカスタマーレビュー 
独裁を徹底的に阻止した国、ヴェネツィア
(2009-11-20)
本書を読んで、最初に驚くのは、ヴェネツィアという国の、徹底して独裁者の出現を阻止しようとする、いささか神経質とも思える程の、慎重な制度設計についてです。
詳しくは本書を直接読んでもらいたいのですが、ここまで、集団指導体制の構築・維持に腐心し、そして成功した国は、古今東西を見渡しても、他にはないのではないでしょうか。
今の国々にも、充分に参考になると思われます。その合理性には、驚嘆するばかりです。
ヴェネツィアの商売と独特の政治体制
(2009-11-14)
文庫第2巻はヴェネツィアのヴェネツィアたる特徴を、その経済と政治に求め解説していきます。
第3話のタイトルはそのまま「ヴェニスの商人」。そうだ、そういえば、かのシェークスピアが書いたのは、まさにヴェネツィアの商人だった…とはいえ、塩野氏がその行動や考え方を紹介する現実のヴェネツィアの商人は戯曲に描かれる商人像とは異なり、合理的で現実主義のまさに「商人」。海洋国家であることの特徴を活かしたベンチャーな商売の様子が詳しく紹介されます。
続く第4話はヴェネツィアの政治について。君主制が広がりつつあった時代に、あくまでも共和制にこだわり、かつ、権力の集中を極度に廃した独特の政体。「十人委員会」を中心とするその政体の運用は、現役の元首をも処刑するほど現実的に徹底されます。塩野氏が「資源をもたない国の工夫」と論じますが、ところどころにマキャベッリの至言が紹介されることで、説得力をもって解説されます。
物語としては退屈でしたが、ヴェネツィアという国を理解するうえで欠かせない2話でした。
ヴェネツィアの政治・経済体制
(2009-09-21)
本書ではヴェネツィアの経済と政治について焦点が当てられています。前半はヴェニスの商人の姿について、シェークスピア作品に出てくるものとはずいぶん違う合理的な仕組みを構築していた姿がわかります。大きなカギは今風にいえばリスクヘッジということでしょうか。ヴェネツィアは経済面でこの技術にとても優れていたのだという印象を受けました。
また後半では、政治について記載がされていて、特に1297年に行われた当時の元首ピエトロ・グラデニーゴによる政体改革が今後のヴェネツィアを長命に導くきっかけになったとして紹介されています。この政体改革では権力の相互監視と権力の集中と分散の微妙なバランスが実現していますが、これは今の世界を見渡しても確かに塩野氏の言うように「いかに実害を少なくするか」という面に焦点を当てた仕組みといえそうです。本書の読了後に思ったのは、資源のない国の政治経済のあり方についてずいぶん日本にも示唆があるじゃないか、ということを塩野氏は暗に述べている気がしました。本書もお勧めです。
ヴェネツィアを考えて日本を思う。
(2009-06-24)
塩野七海さんは、ひそかに憂国の士なのではないかと思っています。
日本もヴェネツィアのように、強く賢くあってほしいというのが、塩野さんの願いなのではないでしょうか。
海に囲まれた日本が貿易で財をなすことを、外国から批判されることがあります。
ですが、ヴェネツィア株式会社という考え方は、日本にそのまま当てはまるかも知れません。
内弁慶なのか、はっきりもの申さない美徳がそうさせるのか、日本は外国に尊敬されていないような気がします。
・・・
(2004-09-22)
イタリア人の書いた面白いイタリア史の本があるのに何故この人が売れスのか?彼女の著作は基本的にイタリアの歴史書で普通に書かれている事だが、日本人向けにうまく噛み砕いた上に「これを日本に例えると・・・」とか「女の心理はこういう場合・・」などと言っている所が受けるのだろう。日本の歴史小説でよく、これをサラリーマン社会に例えると、というのと同じでうまく方程式に乗っている。そういう箇所が目障りと思う人もいるはず。
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